2016年12月31日土曜日

桜(サクラ・さくら)の育て方


サクラ

樹高:2~15m 広がり:5~10m

鑑賞時期: 花 3月~4月

花色:紅、桃(ピンク)、白

利用方法:庭木、記念樹、シンボルツリー

花言葉:心の美しさ、優れた美人、純潔、精神美



日本の春を彩る代表的な花木です。
花色や花形、樹形などバラエティー豊かな沢山の品種の中からお気に入りの品種を探してみてはいかがでしょうか?



家庭での栽培におススメの品種
啓翁桜・天の川・菊しだれ・福禄寿・旭山桜などあまり横に広がらない品種やあまり樹高が高くなりにくいものがおすすめです。


栽培環境や置き場所
一年を通して日当たりの良い場所を好みますが、西日は避けたほうが良いでしょう。地植えの場合は株元に敷きワラやバークチップなどマルチングをして霜を防ぎます。鉢植えの場合は北風のあたる場所を避けて置きましょう。


植え付け
庭植え、鉢植えともに植えつけの適期は、落葉後から新芽が動き出すまでの11月から3月です。
成木は移植を嫌うので、生育後のことをよく考えてから、なるべく広い場所に植えてください。
庭植えの場合は、土質は特に選ばないですが、多湿を嫌うので水はけがよい日なたに植えつけます。根鉢の直径の1.5倍ほどの穴を掘り、掘り上げた土に元肥として完熟堆肥などを十分に混ぜ合わせてから、やや高めに植えつけます。
支柱を立ててから、根の間に土が入るように棒などで突きながら埋め戻し、充分に水やりします。

鉢植えの場合は、根鉢を1/3ほど崩して、長く伸びた根を切り、水はけのよい土で鉢底に鉢底土を入れて植えつけます。


水やり
水やりは庭植えの場合は基本的必要ありませんが、夏などよほど乾燥する場合は朝か夕方に十分に水やりします。鉢植えの場合は夏は朝か夕方、春と秋は1日から2日に一回程度、冬はひかえめにし、乾燥したら水やりします。


肥料
肥料は庭植えの場合、2月の寒肥、花後のお礼肥、7月に追肥を与えます。寒肥は冬の休眠期に有機質肥料を中心とした肥料、お礼肥と追肥は固形の骨粉入り醗酵油粕を与えます。

鉢植えの場合は、開花の1ヶ月半前、花後、秋口に固形の骨粉入り醗酵油粕を施します。


剪定 剪定の適期は落葉期の12月~2月です。あまりむやみに伸びた枝などを切ると傷口がふさがりにくく、そこから雑菌が入って腐りやすいために、枯れた枝や重なり合った枝などを切るくらいにしておきます。

樹形を小型に保つために徒長枝や太い枝などを強剪定しなければいけない場合は、出来るだけ切り口が小さくなるように切ったり、幹に対して垂直に切ったりします。
また、菌が侵入しないよう、「トップジンMペースト」など殺菌効果の高い癒合剤を切り口に塗布してください。

剪定するときにはハサミやノコギリを、消毒剤を使ったり加熱して、あらかじめ消毒しておくとなお良いでしょう。
切るときは枝の途中ではなく、できるだけ枝の分かれ目や付け根で切ってください。


植え替え
庭植えの場合は必要ありません。鉢植えの場合は根が鉢底からでてくるようになったら一回り大きい鉢に植え替えます。適期は生育の止まっている12~2月頃です。


病害虫:定期的な薬剤散布などの予防が大切ですが、以下にご注意ください。

<病気>

●天狗巣病 発生時期:4~12月

 一部の枝がこぶ状にふくれ、その部分からホウキのような細くて小さな枝が無数に発生します。
 この枝には花を咲かせることができません。

予防:冬期に数回、ダイセン、銅水和剤などの薬剤を散布します。
対処:病気の枝は、見つけ次第、付け根から取り除きます。切り口には必ず「トップジンMペースト」など癒合剤を塗りましょう。

●根頭がん腫病 発生時期:4~10月

 地際付近にこぶ状の隆起物ができ、次第にこぶが大きくなり、やがて腐ります。
 根にも同じようなこぶができます。発病した株の生育は悪化し、枯れてしまう場合もあります。

予防:発病した株を抜いて処分をした場合、再び発生しないように株が植えてあった付近の土を入  れかえるか、土壌消毒をしましょう。
対処:こぶを切り取り、ストレプトマイシン剤を切り口に塗りましょう。


●幼果モリニア菌核病 発生時期:3月

 新芽が枯死してしまいます(葉が茶色になり枯れた状態になる)

予防:アブラムシやカイガラムシの排泄物を栄養源としているのでこれらを駆除します。
対処:発芽~展葉期に「ダコニール1000」の1000倍を1週間おきに2回散布する。


<害虫>

●アメリカシロヒトリ 発生時期:6月、8月下旬~9月中旬

枝咲きに糸を張り巣を作り、その中にケムシが群れで住んでいます。
ケムシは時々巣から出て、葉を食害します。成虫は白い蛾で、初夏及び真夏に発生し、葉に産卵します。

予防:落ち葉の下に越冬しているさなぎを見つけたら、捕殺します。
対処:幼虫が小さいうちに1週間おきに2~3回、オルトラン、スミチオンなどを散布します。


●オビカレハ 発生時期:4月~6月

太い枝の分岐した部分などに、糸をはいて巣を作り、灰青色で背にオレンジの帯のある幼虫が発生し、葉を食害します。

予防:冬期、枝にリング状に産みつけたれた卵の塊を見つけたら、取り除きます。
対処:幼虫の小さなうちに、スミチオンを散布します。

●アオイラガ 発生時期:5月~7月、8月~9月

幼虫が葉を食害し葉がすかし状になる。

予防:枝に固いまゆを作るので越冬期に除去する。
対処:幼虫を見つけしだい1000倍に薄めた「オルトラン水和剤」を計2回散布する。

●コスカシバ 発生時期:5月下旬~10月(最盛期8月下旬~9月上旬)

幹に穴をあけ樹勢を弱らせるだけでなく、樹脂病や胴枯死を併発して株を枯れさせることもあります。

対処:
① コスカシバが入った穴から樹脂(ヤニ)などが出ているので、これを目印に注射器などを使って
「スミチオン乳剤」100~300倍を注入する。

② 切開部などには「トップジンMペースト」を塗布し、腐巧菌などの侵入を防ぐ。

③ 幹などに石灰や薬剤を塗布し再侵入をを防ぐ。

以上の行程を6~9月にかけて少なくとも2回行ないます。

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